2015年5月29日 (金)

三井修の短歌を読む

現代短歌文庫の「続 三井修歌集」を読んでいる。

その中の一首。

  パソコンの電源落とし電灯も消せばたちまち月光の部屋      (p.88)

窓のある、外からの明かりがさす部屋で働いている人の歌かな、と思った。(注)
すっかり外が暗くなるまでPCに向かって、というのは仕事か、残業なのかな。
まずPCの電源を消し、部屋の電気も消した。
窓から月光が満ちるような部屋だったことに気づく。
そして最後の一人として部屋から出る。
夏の方が月の高度が低いため、部屋に月光が入ってきやすい。
だから、夏の歌なのかもしれない。クーラーも消したのかな、とか。
いや、でも東や西に月があれば(そして窓がその向きにあれば)月光はさしこむ。
快適な孤独、というものがあるよな、と思い出させてくれた歌。
注:窓がない部屋で働いていると気が滅入る。
労働環境としては窓がある部屋が良い。

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2014年4月 3日 (木)

ホットケーキ

休眠ブログと化しているので、たまには書こうかな、と。

   ホットケーキ、夕暮れ色に焼けていく 石の集合としての建物  【千種創一】

この短歌、最近のお気に入り。

流行りのパンケーキではなくちょっと懐かしいホットケーキだって所とか、
それが夕暮れ色に焼けるってことは、夕暮れの空が黄色か茶色っぽいのかな、とか。
ふんわりと焼けていくホットケーキではじまり、硬い石が集まった建物で終わる。
ホットケーキも、石造りの建物も、その上にある空も、同じ色に染める異国の夕暮れ。
(「海外の歌」特集号の中の歌なので、異国。)

時間と空間、そして人の生活を感じさせてくれるこんな歌が、私は好き。

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2013年7月15日 (月)

細川幽斎を読む

細川幽斎(コレクション日本歌人選、笠間書院)。

図書館から借りてきた。


   風の音村雲ながらきほひきて野分に似たる夕立の空

(かぜのおと むらくもながら きおいきて のわきににたる ゆうだちのそら)

出典:詠百首和歌・夏・三十三・「夕立」  幽斎49歳(1582年)の作とされている。
1582年は6月に本能寺の変。
細川藤孝は剃髪し出家して「幽斎玄旨」と号する。
その夏の歌。
台風かと思うような強い風が吹いてきて雲が空に広がり、激しい雨が降る、蒸し暑い夏の日。
夏の日の激しい天候の変化は、今も昔も変わらない。

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