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2010年11月12日 (金)

母子保健推進員さんたちの定例会

先日、母子保健推進さんたちの定例会にて講演をさせていただきました。

新聞記事にもなったので、私の写真を抜いて(・・・恥ずかしいもん)記事の文章のみ、こちらに転載させていだきます。

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「地域医療を守ろう」 大城医師、母子保健定例会で講演

2010年11月11日 琉球新報

【名護】名護市母子保健推進員の11月定例会が9日、労働福祉センターで開かれ、県立北部病院病理科の大城真理子医師による「地域を守ろう! お医者さん を守ろう!―地域医療の現状」と題した講演会があった。医師や看護師不足に悩まされる同病院や北部地域の医療の現状が伝えられ、参加した推進員らは真剣な 表情で聞き入っていた。

 大城医師は(1)コンビニ受診を控えよう(2)かかりつけ医(2人主治医制)を持とう(3)お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう―のテーマで講演した。
 北部病院の役割として、小さな診療所などで治療できない高度な医療を提供することを挙げ、入院や手術が必要な病気などは同病院で対応し、それ以外の軽度 な症状の病気は診療所などで受診する機能分担の必要性を訴えた。同病院に患者が集中することで、平日から3、4時間待ちという事態が発生している状況もあ るという。
 医師の現状は、少ない人数で入院患者から救急、外来までを診ている実態があるといい、「無理をしながら救急医療をやっている現状がある。医師も疲れて辞めていく人もおり、医師不足につながる悪循環もある」と説明した。
 その意味で休日や夜間に軽度の症状で救急外来を受診する「コンビニ受診」を控えることと、同病院での主治医のほかに地域の開業医などのかかりつけ医を持つ大切さを呼び掛けた。
 また、同病院ではがん治療など高度な医療を提供しているが、中には手術は中南部の大病院で受けるという患者もおり、「できないことももちろんあるが、北 部でできることはここでやってほしい。このような状況が続くと北部で手術をすることができなくなる。地域の病院を自らいらなくしてしまう」と懸念を示し た。
 そのほか、医者と患者も人間関係が大切だと話した。

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それから、twitterに日記代わりに「つぶやいた」ことも、Twilogからこちらに転載しておきますね。

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2010年11月09日(火)

寝る前に、市の母子保健推進員さんたちに会って話したことなどを、とりとめもなく連続ツイートしてみる。何をしゃべったか、おぼえてるうちに。

posted at 23:44:20

母子保健推進員さん、略して母推さんっていうのは、市から依頼され て乳幼児健診を手伝ったり未受診の子の親御さんに健診を受けるように勧めたり、っていうことをする地域の女性たち。定例会に呼んでいただいて「地域を守ろ う、お医者さんを守ろう」っていうタイトルで話をさせてもらった。

posted at 23:45:38

今日は20人くらい集まってて、年齢層としては子育て最中のお母さ んから、おばあちゃん世代まで、っていう感じかな。特別に母推さんたち向けの話、というよりは、お互いに地域住民の一人という立場で話をしたつもり。私 だって子供たちの健診では母推さんたちにお世話になった立場なんだし。

posted at 23:48:05

私は自分や家族が病院を利用する立場でもあるけど、病院の中で働い てもいるから、病院の中がどうなってるか、同僚たちがどんなに大変か、ってのを、すごくよく知ってる。そういう私の目から見た、お医者さんたちが何をどう 感じてるのか、ってのを母推さんたちに知ってもらうつもりで、話をした。

posted at 23:53:36

やんばるの産業まつりで配った、北部広域事務所が作ったチラシの残 りを今回、資料として配布してもらった。資料に書いてあるのは 1.コンビニ受診を控えよう 2.かかりつけ医を持とう(2人主治医制) 3.お医者さん に感謝の気持ちを伝えよう の3点。裏は#8000の解説。

posted at 23:55:10

1について書いてみる。コンビニ受診、っていうのが何かって。ウチの病院は24時間365日救急外来をやっていて、コンビニと同じようにいつでも利用できる、と思われてる。コンビニってのはいつでも行きさえすればカップヌードルが買えたりする、便利な場所。

posted at 23:56:31

だけど、もしウチの病院の救急外来に1歳の子を連れてきたら、予診で研修医が診ることもあるかもしれないけど、実際に診療にあたるのはコンビニの店員ならぬ小児科医。さて、ここで質問。24時間小児救急をやっている、ウチの病院に小児科医は何人いるでしょう?

posted at 23:58:01

答えは、4人。私はコンビニ業界のことはぜんぜん詳しくないけど、店員4人で24時間365日お店をやってる、っていうコンビニは、業界で普通にあるのかなぁ。たぶん普通のコンビニってバイトを雇ったりしてて、もっともっと実働人数がいるんじゃないかと思う。

posted at 23:58:54

それに4人の小児科医は救急外来だけをやってる訳じゃない。平日午 前午後は外来診療もやってるし、入院患者の主治医も兼任している。確か小児病棟って40床はあったから、満床だと単純に割って医師一人が10人、重症で入 院しなきゃならないような子を、主治医として受け持ってるってことになる。

posted at 23:59:55

でも病院とコンビニの何が一番違うのか、っていうのは、ヒトの命を預かる、ということ。ヒトの命は誰でもが助けられる訳じゃないし、朝までもたない命があるかもしれないから、救急病院は24時間救急をやってる。

posted at 00:01:57

救急、という同じ言葉を使っていても、患者側と医療者側ではその意 味、中身が違ってる。救急外来を「24時間いつでも(すぐに or 待たずに)医者に診てもらえるところ」と思っているのは患者側。では、医療者側は?っていうと「朝までもたないかもしれない命を助けるところ」と思ってい る。

posted at 00:05:18

医者にとって、救急外来は「24時間外来」ではなく「救命救急外来」だってこと。「朝まで持たないかもしれない命」が病院にやってきた時に頑張って助けるために、医者は病院にいる。

posted at 00:06:34

救急外来には「朝まで命を持たせる」ための薬や検査しかない。検査も十分にできないし、薬だって朝までの分しか渡せない。ウチの病院の救急外来に来た患者さんの、約半数はそういう軽症。といっても、こういう統計は結果論でしかないけれど。

posted at 00:09:05

・・・なんて話を、もっともっと詳しく、延々と1時間近くやってしまった。でもその後の質疑応答、母推さんたちの感想も面白かった。すっかり眠たいので、寝ます。おやすみなさい~。

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更に。あるクローズドなSNSで「2人主治医制ってなんですか」って質問されたので、私の回答をこちらにも書いておきます。

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「2人主治医制」がどういうことかっていうと。地域の患者さんにとって「主治医」がウチの病院、つまり急性期総合病院の医師、だって例は多いです。
古くからある病院なので、ウチの病院の医師を「主治医」と思ってる人が多くて。
医師が退職して変わっても、主治医は「病院の先生」。

でもそういう人って、ただ「前からずっとお世話になってるから」っていうだけの理由で、ウチの病院の外来にかかり続けていることも多いんです。

たとえば整形(腰痛)と内科(高血圧)の外来がいっぺんに済むから、という理由でウチの病院の外来通院を続けている。医療的にウチの病院の外来通院が必要か、っていうと、そういう訳ではない。

申し訳ないけど、そういう人たちの(特に内科の)外来通院を、今の当院は制限せざるをえない状況にあります。そこで「診療所・クリニック・医院」を「かかりつけ医」にしてもらうべく、紹介状を持ってそっちに行ってもらう。
より高度な医療を受けるための「紹介」ではなく、地域の開業医さんなどで当院と同等の医療を行ってもらうためにつなぐ、いわゆる「逆紹介」。

そうやって逆紹介された患者さんに、ウチの病院に切られた、と思わないで欲しいんです。
「診療所・クリニック・医院」の「かかりつけ医」が「一人目の主治医」。
で、入院治療が必要になったり、重症になったりした時には「二人目の主治医」としての、ウチの病院を頼りにして欲しい。
そういう、地域の病診連携を患者さんに理解してもらうための「2人主治医制」です。

参加者のお一人から質問がありました。
「わたしはずっと喘息があって、病院に通院してきたけれど、開業医さんに紹介されました。開業医さんは昼しかやってないけど、喘息の発作は夜中に起きるんです。発作を起こしたらどうしよう、というのがとても 心配です」って。

夜中の喘息発作の時は、どうぞ遠慮なくウチの病院の救急外来に来て下さい、って答えました。
それが「2人主治医制」の「2人」ってことですよ、開業医さんだけじゃなく、病院にも主治医がいる、って思って下さい、って。
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#8000の話も書いておきたいのですが、それはまたいつか、どこかで。
とても長くなってしまったので、今日はここまでにしておきます。

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