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2010年8月19日 (木)

胃生検Group分類改訂への対応

専門的な内容となってしまうので一般の方には意味不明かもしれません、ご容赦ください。

胃生検のグループ分類をどう運用するか、というのを(3月の改訂以来)ずっと悩み中だったのですが、ようやく暫定的とはいえ決着がつきました。

なお、以下は、あくまでも私の勤務先限定の話で、これが絶対正しいという訳ではありません。僻地の病院でこういう運用をしてるところもある、という情報提供のつもりです。(参考までに、委託検査会社ではこういう 扱いがまぁ普通、といった感じでしょうか。)

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2010年3月に胃癌取扱い規約第14版が発行され、Group分類が改訂されました(文末参照)。当院でも新規約の発行を受け、胃生検の病理組織診断を以下のように変更します。

 

①数字の表記をアラビア数字に変更する

これまでGroup Ⅲ、Group V等、ローマ数字で表記してきた数字を、新規約に従い今後はGroup 3、 Group 5とアラビア数字で表記します。

(大腸生検のGroup分類と同様の表記となります。)

 

②診断名の記載、Group分類の併記

従来、病理診断としてGroup分類のみを記載することもありましたが、今後は原則として病理組織学的診断名を記載し、Group分類を付記する形をとります。 例)Chronic gastritis, Group 1

 

Group 2, Group Xの扱いについて

今回の改訂で大きく変更されたのはGroup 2です(文末参照)。再生性・反応性異型上皮から、悪性腫瘍の可能性を否定できない病変までがGroup 2に含まれることとなりました。Group 3よりも悪性度の高い病変がGroup 2と分類されることもありうるため、混乱が予測されます。

当院においては当面の間、混乱を避けるため、Group 2に該当する病変については組織学的診断名のみとし、Group分類を付記しません。

 

例)Dx: Atypical epithelium, need to re-biopsy

 所見:異型を示す上皮を認めます。良悪の確定が困難な病変ですので、早急な再検をお願いします。

 

また、新規約では不適材料についてGroup Xと判定することとされていますが、誤解を防ぐために従来通り病理組織診断としてinsufficient materialと記載し、Group分類(Group X)を用いない予定です。

Group1、Group3、Group4、Group5については規約に即した形で用います。

 

 

なお、従来はGroup 3以上を臨床医への電話連絡の対象としておりましたが、規約の変更に伴い、Group 2相当病変についても病理医の判断にて電話連絡いたします。Group 4、Group 5については従来通り、原則全例を電話連絡いたします。

 

以上、何か疑問等ありましたら、どうぞお気軽に病理医までお問い合わせください。

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参考

 

Group分類(胃癌取扱い規約第13版,1999)

 

Group I:正常組織、異型を示さない良性(非腫瘍性)病変

Group II:異型を示すが、良性(非腫瘍性)と判定される病変

Group III:良性(非腫瘍性)と悪性の境界領域病変

Group IV:癌が強く疑われる病変

Group V:癌

 

 

Group分類(胃癌取扱い規約第14版,2010)

 

Group X:生検組織診断ができない不適材料

Group 1:正常組織および非腫瘍性病変

Group 2:腫瘍性(腺腫または癌)か非腫瘍性か判断の困難な病変

Group 3:腺腫

Group 4:腫瘍と判定される病変のうち、癌が疑われる病変

Group 5:癌


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