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2010年5月15日 (土)

腎生検のイメージ&実体顕微鏡下の図

いきなり詳細な話になってしまいますが。
腎生検の際に採取された検体を生の状態で実体顕微鏡でみて、糸球体の有無を確認する、という作業があります。
その理解のために模式図のようなものを作成したので、こちらにアップしておきます。

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まずは腎臓に穿刺針が入った時のイメージ図です。
こんな感じで、腎臓に針が刺さり、腎臓の一部が採られてくる、と思ってください。
一本の検体の中に皮質と髄質がある、理想的な検体です。
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実際にはこういう形で両端に皮質があったり、髄質がまったく採取されてなくて皮質だけだったりすることもあるので、この点は注意が必要です。
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実体顕微鏡で見た像をイラストにしてみました。
まぁ、大体こんな感じで見える、という模式図です。
実物は未染色、こんな色はついていませんが、赤血球を豊富に含む糸球体だと赤っぽく見えます。
腎生検では糸球体の所見が特に大事なので、糸球体を含む(=皮質を含む)検体であるかどうかを確認する必要があります。
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ほとんど髄質だけ、という検体が採られてくることもあります。
これはなかなか難しいです。血管や尿細管が輪切りになって集合していると、糸球体に見えてしまったり。

通常の腎生検では、診断のためには電顕(電子顕微鏡)、光顕(光学顕微鏡)、蛍光(免疫組織化学)の三つに検体を出す必要があり、それぞれに糸球体が含まれている必要があります。検体に含まれる糸球体の数があまりにも少ない時は術者に伝え、再度穿刺するようお願いすることもあります。

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コメント

実体顕微鏡で標本を見ても厚みがあって、糸球体が認識できないのですが、何が悪いのでしょうか?直接裸眼で見たほうが、直径200μmでぎりぎり見える気もしますが?
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以下、slummyによるお返事です。

裸眼で糸球体が認識できるものなのですか!?
はじめて聞きました。

ルーペで試みたことはありますが、確定できず、実体顕微鏡の方がはるかに認識、確定しやすいと私は思っています。もちろん個人差はあるでしょう。

検体に厚みがあるのは当然の前提です。
透過光で見ていますか、反射光で見ていますか。私は原則透過光ですが、場合によっては反射光も使います。
また、光量、ピント、倍率をいろいろ変えながら見ていますか。最適条件は顕微鏡による差があるので、まずは糸くずなどでその顕微鏡の使い方、見え方に慣れて、それから試行錯誤して(実体顕微鏡での観察時間が長すぎると、標本の質が下がりますのでご注意を)、お使いの顕微鏡で、あなたにとって一番、認識しやすい条件をみつける、ということになるのだと思います。頑張ってください。

投稿: 宮崎良一 | 2010年9月24日 (金) 14時43分

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