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2009年9月12日 (土)

女性医師だけの問題ではない

ものすごく久しぶりの、ブログ更新となります。
今回はジェンダーというか男女共同参画というか、育児支援というか・・・とにかく、そういう話です。長くなりますが、ご容赦ください。

沖縄県医師会女性医師部会主催の「女性医師の勤務環境整備に関する病院長等との懇談会」というのに出席してきました。
私は沖縄県医師会の会員ではない(沖縄県公務員医師会の会員ではありますが、沖縄県医師会には会費を払ったりしていません)ので、参加資格がないのではと思っていたのですが、とにかく県内で働く女性医師なら参加資格があると言われたのと、尊敬する先生が「昨年は女性医師の参加者が少なかった」と嘆いてらしたので、出ようという気になりました。

「病院長等」というのはどんな方たちだろう?と思っていたら、県内の公立・民間病院の院長・副院長クラスと事務長さんたちでした。女性医師も含めて50人程度の会でした。

沖縄県女性医師部会による調査結果報告がまずなされました。その後、意見交換。
意見がある人は事前に送ってください、といわれてたので以前、自分の病院の院長に提出した文書(我ながら不満足な文章ですが・・・)を出しました。こんな文章です。
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病院における男女共同参画、育児支援事業の提案

【事業の背景】
・医療、特に専門職(医師、看護師、技師、薬剤師等)に占める女性の比率は時代と共に大きくなっている
・勤務医不足、病院勤務看護師不足が問題となっている
・女性医師、女性看護師が定着できない要素の一つとして、病院としての組織的な男女共同参画の遅れ、育児支援体制の薄さが考えられる

【目標】
1.女性も男性も生き生きと働き続けられる病院
2.職業人であり、生活者であることが両立できる病院

事業内容
1.院内病児保育
 自宅療養を必要とする子の療養の場を院内に確保し、保育者を配置する。
2.緊急的託児サービス
 緊急的な仕事のために学童、保育園等に迎えに行けない職員に代わって迎えに行く等のサービスを、病院として組織的に提供する
3.地域の小児デイケア、学童保育、ファミリーサポート事業等との組織的連携
 地域に既に整備されている事業を活用する窓口を院内に設置する
4.生活日用品共同購入支援
 生活者として必要な物品の購入を院内でサポートする
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女性医師で意見を出していたのは私ともうお一方だけでした。
これだけではなく、病院長さんたち、事務長さんたちに言いたいことは、本当にいっぱいあります。司会の先生には「辛口」と言われてしまいましたが、言いたいことが多すぎて。
何を話したか、思い出しながら書いてみます。

「管理職のみなさまにお願いです。
若い女性医師が妊娠を報告したら、『おめでとう』と言ってやってください。
本音では『この医師不足の時代に、困ったな』と思われても、それを、相手にそのまま言わないでください。
妊娠して精神的に不安定になっている女性医師は、それだけでも病院を辞めたくなりますし、実際に辞めた女性医師も知っています」

「育児に参加している男性医師にもどうか配慮してください。
今の若い男性医師は、自分自身が育児に関与したいと思うのが普通ですし、関与することを配偶者から期待もされています。
世代を問わず、家庭に関与する時間、育児をするための時間を確保するために退職して非常勤医になるのは女性医師だけではなく、男性医師もいるのです。
表向きの退職理由とならないだけです。」

話がややそれます。
私は「女性医師支援」という言葉が二つの理由から、好きではありません。
一つは、女性医師だけを特別扱いしようとする気配が漂うから。
本当に、純粋に「女性医師特有の問題」っていうのは少ないんです。
働く女性に共通した問題、男女いずれの勤務医にも共通した問題が、女性医師ということでクローズアップされやすいだけなんだと思います。
上では育児をする男性医師のことを書きましたが、医師の家庭の育児の問題を女性医師だけの問題にしてしまうのは、問題の矮小化です。

二つ目の理由は、「女性医師」とひとくくりにして扱うことに対する抵抗感です。
たとえば起きている時間のほぼすべてを医療に献身している独身の女性常勤医師に「先生は女性医師ですよね。育児などで離職してしまった女性医師用に離職後の復職支援コースを作りました。先生は必要ありませんか?」と尋ねるのは、大変失礼な話です。
でも「女性医師支援」というものの中身は、そういうことが多いような気がします。
誰かが頭の中で作り上げただけのステレオタイプな「女医」像が一人歩きしている。

話を戻します。
今回、出席して、さまざまな病院の話をたくさん聞けたのは大きな収穫でした。
女性医師が多く勤務している病院、男性医師も育児休暇を取得できている病院、など、素晴らしい例がいくつもありました。
院内保育所を設置している複数の民間病院管理者の話では、子供40-50人を預かって、補助金をもらって、それで も大きな赤字なんだそうです。それを職員への福利厚生としてやっている病院、偉いなー、と思ってしまいました。

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