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2008年5月 8日 (木)

カッテージチーズと乾酪壊死

最近、冷蔵庫の牛乳が余ると、カッテージチーズを作ります。
私の作り方は至ってシンプル。

①牛乳1リットルを鍋に入れて沸騰しない程度にあたためる。
②火を消し、鍋の外側に触れるられる程度に冷めてから、80~100cc程度のレモン汁(市販の瓶入りレモン100%果汁)を入れ、適当に混ぜる。
③しばらくすると固まってくるので、布巾でこす。
④布巾の中に入れたまま冷水の中で適当にもみ洗いする。
⑤お好みの固さまで絞り、塩少々を加えてできあがり。
かなりアバウトな作り方なので、もっとこだわって作りたい方はこういうサイトなどもご覧下さい。

で、できたものがコレです。Cheese

画像ではわからないのが残念なんですが、
レモンのほのかな香りがします。
味はかなり、あっさりです。

で、これを見るたびに、私の頭は病理医の頭に戻り、結核の病巣、
「乾酪壊死(かんらくえし)」を連想してしまうんです。

私は結核恐怖症(結核が怖くて怖くてたまらない、くらいの意味です)の病理医です。
いつか自分が結核になるんじゃないか、と過剰に(苦笑)恐れています。
結核が病理医の職業病だった時代は、残念ながら、まだ遠い過去ではありません。

下の画像は、典型的な乾酪壊死のリンパ節です。
Photo 定規の一目盛りは5mmですので、1.5cm程度の大きさのリンパ節。
でも、どこがリンパ節で、どこが乾酪壊死なのか、わかりにくいかもしれませんね。

 

これでどうでしょう。

2 リンパ節以外の部分を隠してみました。
矢印の先、白くなっている所が乾酪壊死です。
カッテージチーズに似ているような気がしますか?
やっぱり画像ではわかりにくいかもしれませんが。

黒っぽい部分は、炭粉沈着(たんぷんちんちゃく)。
タバコの煙の粒子などをここで処理しているんだと思ってください。

このリンパ節を顕微鏡でみると、こんな感じになります。
1詳しくは拡大してみてください。

乾酪壊死、というのは顕微鏡でみた状態ではなく、目でみた状態を表現した言葉だと思います。

この顕微鏡画像は、一般的なHE染色(ヘマトキシリン・エオジン染色)のものです。
結核菌を探すためにはZiehl-Neelsen(チール・ニールセン)染色という特殊な染色が必要です。
その画像もお見せします。顕微鏡の最高倍率が必要です。

1_2 結核菌は、赤く染色されます。
背景もピンク色なのは、デジタル画像処理の問題です…。
菌を見やすくしようと、赤を強調したらこうなってしまいました。
Ziehl-Neelsen染色では薄いブルーの海の中に、鮮紅色の菌がキラッと光って見えるような感じです。

細長く、しっかり存在を主張する、というよりは、はかなげな、たよりない印象の菌です。
でもこの見た目にだまされてはいけない。結核菌は案外、しぶとい菌です。
この菌が、空気の流れにのって人体の中に入り、体内でゆっくり増殖して結核の原因となります。

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コメント

「できたもの」、ボールマン4型胃癌かと思ってしまいました…職業病みたいなもの?(笑)

投稿: 元臨床医、今病理医 | 2008年5月13日 (火) 20時43分

たしかに、そういわれてみるとヒダの集中、先細り、途絶、棍棒状変化?がBorr4っぽいですね(笑)

投稿: slummy | 2008年5月13日 (火) 23時41分

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