2017年3月4日、琉大で開催された、院内がん登録研修会に参加しました。
膨大な情報量を詳細に説明された研修会でした。
PCでメモをとったのですが、非常に長いです。
とても頭に入りそうにないので、備忘録代わりに、こちらに掲載します。
注:あくまでも個人による研修会参加記録です。
私は病理専門医ですが、がん登録実務者ではありません。
実務についての理解は乏しいことをあらかじめご承知おきください。
記載内容に誤り等が含まれている可能性を否定できませんが、その責は私にあります。
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講師:江森 佳子先生(国立がん研究センター)
2016年版 院内がん登録 標準登録様式
2016年対象症例からの登録ルールについて説明する。
(前版は2006年様式)
様式が変わってもすべては変わらない。
基本的なベースは2015年までと同様だが、
それまでにはとれなかった情報をとれるように
項目が増えたり、視点が変わったりしている。
99項目ある。すべての項目に何かを入れる。
「オプション項目(入れても入れなくてもいい)」はなくなった。
基本すべてに入れる。空欄は作らない、というコンセプト。
○全国がん登録共通項目 26項目
がん登録関連法規にて定めらている項目。
●院内がん登録の標準項目 47項目
他の施設と比較できるのが院内がん登録の最大のメリット。
◎管理項目 26項目(←もともとはフリー項目だった)
施設で必要と考えられる項目
(すべて手入力の必要はなく、他院内システムからのインポートも可)
【様式の適用時期】
新標準登録様式の対象症例は平成28年(2016年)1月1日以降
対象症例から適用。
他施設診断:当該腫瘍初診日が2016年1月1日以降
自施設診断:自施設診断日が 2016年1月1日以降
そもそも対象症例とは何か。
何年何月何日の症例?どの日付をキーとするのか?
キーとなる日付を「起算日」という。
起算日とは?
自施設診断症例は自施設診断日。
他施設診断症例は、当該腫瘍初診日。
院内がん登録については当該腫瘍で初診されてから4~5か月後に登録。
【登録対象】
ICD-O-3における性状コード2もしくは3
(性状コ―ド2が上皮内癌、3は悪性原発)
新様式での登録対象拡大
●一部の卵巣境界悪性腫瘍(性状コード1)
ICD-10においては「卵巣腫瘍のICD-0-3の844~847は悪性扱い」
●中枢神経系腫瘍は良性、良悪性不詳も登録。
脊髄膜、脊髄、馬尾についても含まれる。
●GISTはすべて登録対象。
【登録対象から除外するもの】
●顕微鏡学的診断のない「上皮内癌」
(肉眼診断や画像診断のみで病理組織診、細胞診がないもの)
●前立腺PIN3は登録対象外
●セカンドオピニオンの症例も登録対象外
【臨床的悪性】の扱いについての変更
●病理レポートで悪性と書かれていれば/3
●病理所見で悪性と明示されていなければ/1
●病理学的な所見がなくても、遠隔転移があれば/3
【がん登録でいう「がんの診断」とは】
●医師が「がん」と認識すること。
確定診断とは限らない。極めてあいまいなことが多い。
「がんの疑い」と書かれていることも多い。
他施設の情報で「がんの疑い」→がんの診断とはしない
自施設で「がんの疑い」→医師に確認の上、がんの診断としてよい
(以下余談。
休憩時間に、一緒に参加していた学生から質問された。
「あいまい、というのはどういうことか?」という質問だった。
私からの回答として、臨床医には「確定診断」という用語を、
病理組織検査がなされていない場合に使いたがらないことが
ある、という話をした。以下のようなフィクション。
75歳男性。入院時主訴、腹水貯留。
アルコール飲酒歴あり、画像診断では肝硬変+肝細胞癌。
血中AFP高値。肝腫瘤を穿刺し、穿刺吸引細胞診を提出した後、
同穿刺針よりエタノール注入。
しかし細胞診による診断が確定される前に患者さんが亡くなった。
剖検をご遺族に提案したが承諾が得られず。
退院時要約には「肝細胞癌の疑い」と記載されていた。
電話で主治医に「この方は肝細胞癌と確定診断されてますか?」
と尋ねたら「病理に聞け」という一言で終わったとする。
で、病理細胞診は「壊死細胞のみ、診断不能」という結果。
さてこの患者は確定診断されてない、ということになる。
「がん登録」の対象となるのか?対象外か?
あなたはどう考える?
わたしは「がん登録」の対象だと考える。
入院時主訴の腹水貯留は肝硬変によるものかもしれない。
しかし、AFP高値、肝細胞癌疑いとして治療のエタ注をされている。
主治医は肝細胞癌と認識していたとしか思えない。
こういう症例を登録対象外にしてはならない。)
【一般的な「がん治療」とは】
1)原発巣、転移巣のがん組織に対して「縮小あるいは消失」を目的
として行われる治療
2)症状緩和・軽減のための治療
例:吻合術(バイパス手術)などの外科手術、
疼痛緩和のための薬物・放射線療法。
がん登録の対象となる、がん治療の「初回治療」としては上の1)のみ。
【造血器腫瘍以外の悪性新生物の初回治療の考え方】
1)診療録にがん治療計画が記載されている場合は、その治療計画の完了まで。
2)がん治療計画が記載されていない場合、施設での標準的ながん治療計画が
あれば、その治療計画の完了まで。
3)上記1)2)以外で、初回治療に含めないものが2点。
Ⅰ:「がんの進展」または「期待した治療効果がない」と判断された時点
「治療効果がないため別治療を開始した、その時点までの」治療
Ⅱ:効果の有無等の記載がなく、検討している治療が診断(起算日)から
4か月以上経過して開始された治療は、初回治療に含めない。
(注意:何か別の理由があって計画通りに進んでいる場合は「4か月」に
こだわらないこと。)
4)患者による治療拒否あるいは、医師(と患者の合意により?)経過観察が
選択されている場合は、「経過観察という治療」を行ったと考える。
例)症状緩和のみの治療 → 経過観察に含まれる。
【造血器腫瘍】変化なし(初回寛解導入までの治療)
初回治療での経過観察
造血器腫瘍以外では、「経過観察」を行うのは初回開始施設だけ。
造血器腫瘍のみは例外的に初回経過観察を複数施設で行うことがあり得る。
【標準登録項目とその定義】
基本情報
腫瘍情報
初回治療情報
生存状況情報
管理項目・その他
【日付の書式、フォーマット】
一般的なDBで用いられる数値型を用いる。
年月日を区別するためYYYYMMDDとする。月日が一桁の数なら0を付して2桁。
年月日が不詳の場合はYYYY=9999 MM=99 DD=99
~年頃、~月頃しかわからないときはYYYY8888,YYYYMM88
該当せず、適用なしの場合は77777777
【基本情報】
900 病院等の名称
100 診療録番号(患者ID)
110 重複番号(多重がんの把握のためのコード)
120 カナ氏名
130 氏名
140 性別
150 生年月日
199 基本情報(テキスト)
【110 重複番号】
多重がんのルールは変更されている。(あとで)
【120 カナ氏名】
氏名の読み、全角カタカナで。姓名の間に全角スペース。
姓が変更になった場合は、新姓に修正する。
旧姓は基本情報(テキスト)に記載。
【130 氏名】従来通り。
【140 性別】
生物学的性別ではなく、住民登録されている性別を入力する。
●生物学的性別が異なる場合は基本情報テキストに記載すること。
●住民登録上の性別が変更された場合は可能な限り変更し、
以前の性別を基本情報テキストに記載する。
●住民登録している性別が明確でないときは診療録等で使用されている
性別を入力する。
【190 基本情報テキスト】基本情報についての補足的情報。
【腫瘍情報】その1
220 診断時郵便番号
200 診断時都道府県コード
210 診断時住所
300 原発部位(局在コード)
309 原発部位(テキスト)
310 側性
320 病理診断(形態コード)
329 病理診断(テキスト)
330 診断根拠
【210 診断時住所】
市町村を省略しない。
転居があっても変更しない。
転居先は【950 最新住所】で保持する。
【300 原発部位(局在コード)】
ICD-0-3の局在コード。4桁。
【309 原発部位テキスト】
システムによって自動表示される言葉をそのままにしない。
その症例の診療記録に記載されている詳細な情報を要約して用いる。
【310 側性】
臓器における原発巣の側性
側性のある臓器における多重がんの判定に用いる。
コードの選択。
1:右側
2:左側
3:両側「網膜芽細胞腫、Wilms腫瘍、両側同一組織型卵巣腫瘍」のみ。
4:側性なし
9:不明(上記3「両側」以外のすべての腫瘍の両側性のもの)
【320 病理診断(形態コード)】
【329 病理診断(テキスト)】
309と同じく、病理診断の組織型の情報を補完する詳細情報。
希少がんの患者さんへの情報提供に用いられるため、正確に
記載すること。
【330 診断根拠】
患者全経過を通じて、最も確かな診断根拠。
コードの選択
1:原発巣の組織診
2:転移巣の組織診
3:細胞診
4:部位特異的腫瘍マーカー(AFP肝癌、hCG絨毛性腫瘍、
VMA神経芽細胞腫、免疫グロブリンワルデンストレームMG血症)
5:臨床検査(4以外の腫瘍マーカーも含む)
6:臨床診断
9:不明
【腫瘍情報】その2
350 当該腫瘍初診日
360 他施設診断日
370 自施設診断日
380 診断日
400 診断施設
410 治療施設
420 症例区分
450 来院経路
460 発見経緯
470 病名の告知の有無
【350 当該腫瘍初診日】
初めて患者が自施設を受信した日
【360 他施設診断日】
より確からしい診断根拠の検査を行った日
【370 自施設診断日】
より確からしい診断根拠の検査を行った日
【診断日についての変更点】
2016年症例より、がん検診、健康診断、人間ドックで
行われた検査についての「診断日決定」の検査に含めて考える。
医療機関にかかったところをスタートとするので、
がん検診・健康診断・人間ドックで「がん」と診断し、
その後、自施設で診療していない症例は「登録対象外」とする。
360と370、どちらか一方が77777777となる。
【380 診断日】
全国がん登録の「診断日」に該当する日。
400(診断施設)によって以下を選択する
→1(自施設診断)ならば370自施設診断日を。
→2(他施設診断)ならば350当該腫瘍初診日を。
診断日は非常に重要。生存率などの起算日となる。
他施設診断の場合、他施設診断日が起算日にふさわしいが
より「確実である」当該腫瘍初診日を代用する。
【400 診断施設】
1:自施設
2:他施設
【410 治療施設】新項目!
当該腫瘍の初回治療をどの施設で開始・実施したかを判断する。
いわゆるセカンドオピニオンは登録対象外。
1:自施設で初回治療せず、他施設に紹介または転帰不明
2:自施設で初回治療を開始(経過観察開始を含む)
3:他施設で初回治療を開始後に、自施設を受診して初回治療を継続 ←NEW!!
4:他施設で初回治療を終了後に自施設に受診
8:その他(剖検など)
治療施設の考え方:初回治療が経過観察の場合、造血器腫瘍以外であれば継続はない。
【420 症例区分】新項目!
当該腫瘍の診断および初回治療をどの施設で開始し、実施したかを判断する。
10:診断のみ。
20:自施設診断・自施設初回治療開始
21:自施設診断・自施設初回治療継続
30:他施設診断・自施設初回治療開始
31:他施設診断・自施設初回治療継続
40:初回治療終了後
80:その他
20~31が「自施設責任症例」となる。
診断施設についての症例区分は考えて選択する。
【450 来院経路】自施設を受診した経路
「他施設」とは医療機関のみならず、検診機関や老人保健施設も含まれる。
10:自主的受診
20:他施設からの紹介
30:自施設で他疾患経過観察中(自施設検診部門からの紹介がここに含まれる)
80:その他
99:不明
紹介状がある場合の扱い。
紹介状の宛名があるならば「20」
紹介状がなくても、宛名(施設名、医師名等)がなければ「10」
【460 発見経緯】
当該腫瘍の診断について、発端となった状況。
(一番最初に医療機関を受診したきっかけは何か。)
1:がん検診・健康診断・人間ドック
3:他疾患の経過観察中の偶然発見
4:剖検発見(Ai含む)
8:その他
9:不明
【470 病名の告知の有無】
初回治療方針が決定されたの告示状況
病名が(悪性、がん、等の言葉が用いられて)本人に告知されているか否か。
1:病名の告知あり
2:病名の告知なし
9:不明
【腫瘍情報 その3】
UICC TNM分類 第7版に準拠
T分類のTxは自施設にて情報不十分で不明の場合。
他施設での診断情報が不十分な場合は1999
1000:T0
1010:Tis
1050:Ta
1100:T1
1200:T2
1300:T3
1400:T4
1500:Tx
1999:不明
7777:該当せず
UICCの第8版は日本語版がGW過ぎに出版予定。
がん登録での採用は早くても2018年。
【540 TNM分類 付加因子】
骨軟部虫垂:G因子
精巣:S因子
悪性リンパ腫:症状の有無
甲状腺:乳頭/濾胞 45歳未満
共通
治療前の腫瘍の状態。
該当する分類がない場合は7777
以下の3つのコードは骨軟部精巣悪性リンパ腫甲状腺のみ。
決定できない場合は5999
手術なし6610
術前治療後6620
pTNMは他施設の場合はかつては入力不要だった。
新様式では「初回治療があちこちで継続される」ため
治療しているのであればpTNMを把握しているべきだろう。
他施設のpTNMを入れる時は8000番台。
自施設のpTNMなら1000~5000番台。
初回治療終了後に自施設来院の場合は8000番台をつけない。
【550 肝癌の病期】
肝癌についてはUICC+原発性肝癌取り扱い規約
規約の情報をとるならここ。
【580 進展度・治療前】
初回治療前のがんの拡がりをみる。
【初回治療情報 700~】
観血的治療:700~730
非観血的治療:740~766
【初回治療情報 その他の治療】
【706 外科的治療(他施設)】
【710 鏡視下治療の有無】
一つの手術の中で併用されている場合は侵襲性の高い方を。
【711 鏡視下治療の施行日】
【715 鏡視下治療(他施設)】
【730 外科的・鏡視下・内視鏡的治療の範囲】
700、710、720で示された観血的治療の範囲
(該当しない場合は6観血的治療なし)
1:原発巣切除(腫瘍遺残なし)
4:姑息的な観血的治療(腫瘍遺残あり)
6:観血的治療なし
9:不明
【740 放射線療法の有無】
自施設で施行された初回治療のみ。
【750 化学療法の有無】
自施設で実施された初回治療のうち化学療法の実施の有無。
分子標的治療薬も化学療法に含める。
TAEのみならば【その他 770】になる。
【770 その他の治療の有無】
TAEやPEITなどはこちら。
免疫療法はこちら(BCG膀胱内注入等)
免疫セットポイント阻害剤は化学療法として750へ。
他施設ならば【775 その他の治療】
【780 経過観察の選択の有無(自施設)】
自施設で初回治療が開始された際の経過観察の選択の有無。
700~770の自施設での初回治療がすべて「施行なし」
「治療施設 2 自施設初回治療開始」
経過観察の選択の有無(自施設)の意義
・初回治療開始であれば、初回治療情報の項目が
いずれかは「あり」または「経過観察を開始」しているはず。
・初回治療継続でも同様だが、この場合は初回治療情報の
項目がいずれかは「あり」
(初回治療継続時には「経過観察」は存在しない)
ただし造血器腫瘍の際は別。
【790 症状緩和的な治療(自施設)】
自施設で実施された初回治療のタイミングで行われた、症状の
緩和を目的に行われた治療の実施の有無
初回治療に準じるタイミング(診断日からおおむね4か月以内)
で症状緩和的な治療が自施設で実施されたか否かを選択する。
(例:pain control、通過障害の解除を目的としたステント挿入、等)
考え方として、診断だけして他施設に紹介する(初回治療は他施設)
だが、たとえば黄疸症状を伴う胆道系腫瘍患者の場合、減黄術を
行って次の施設に送った場合には、「症状緩和的治療を行った」
ことを、がん登録に残すことになる。
【生存状況情報】
生存確認調査を行った後に記入する項目。
【800 生存最終確認日】
死亡が明らかな患者は死亡日を入れる。生存最終確認日には7を8個。
【830 生存確認調査方法】
10 来院情報 ←規定値。
850 死因情報(全国がん登録):ここはICD-10のコードを入れる。
自施設の情報は入れない。
【管理情報】
999:全般情報(テキスト)
情報を複数入れる時にはセミコロン(;)を区切り記号とする。
個別説明は「=」を付して行う。
(例:分子標的薬=リツキサン)
フリーテキスト。全角換算おおむね128文字まで。
基本情報(テキスト)と合わせて256文字以内が望ましい。
その他の登録ルールの変更
子宮頸癌の円錐切除術は2016年症例から「検査」扱い。
膀胱癌TUR-Btは内視鏡的治療として扱うことは変わらない。
結果がTaだった場合はpTaでよいが、結果がTa以外で、
それ以上の追加切除がない場合はpTXとする。
観血的治療の範囲として「姑息的観血的治療」とする。
前立腺癌TUR-Pは2015年までは「内視鏡的治療」扱い。
しかし2016年症例からは「検査」扱い。TUR-P情報はcT
前立腺癌治療としてのHoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)
は2015年までは「レーザー等治療」扱い、2016年からは
「内視鏡的治療」扱い。
===多重がんルールの概要===
多重がんの定義。
「単発がん」とは一つの腫瘍として登録する。
別々の腫瘍として登録するものが「多重がん」。
「多発がん」の多くは「単発がん」。
SEER2007準拠。
固形腫瘍のものを今回配布。
造血系腫瘍のものはルールが複雑すぎるため
どこまで導入するかを現時点では検討中。
全体の分類(どのルールを適用するか)
・頭頚部
・結腸 ←C18のみ。直腸は入らない。
・肺
・皮膚悪性黒色腫
・乳房
・腎(実質)
・尿路系(腎盂、尿管、膀胱、尿道)
・良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍
・上記以外の部位・組織型
基本ルール
多重か否かを判定し、その上で組織型ルールを適用する。
多重がんルール(Mルール) Multiple Primary
組織型ルール(Hルール) Histology
原発病巣に対して、ルールを用いる。
順番に適用して、該当ルールを用いる。
まず部位を決め、それからルールを見に行く。
まずMのM1から見て、M1に当てはまるかどうか、
当てはまった時点でストップ。
上下の関係が重要。順番に見ていき、全体を見渡さない。
例)M5とM8にも該当する場合は、M5を適用する。
「その他」のルールを見ていく。(p136)
*胃にできている腫瘍が「管状腺癌」「MALTリンパ腫」の場合は
胃の管状腺癌を優先する。
*時期が違う場合には「今の」腫瘍について。
組織型の決定(Hルールを適用する際)には1)2)3)の順で優先する。
1)病理細胞診所見を引用している診療録記載
2)診療録に引用されている組織型の記載
3)CT,PET,MRI所見での組織型記載 ←この部分は部位ごとに異なる。
表1は側性がある場合。
表2は組織型について。
【M1】→ 単発。※転移病巣という記述なし。
●単一腫瘍か複数腫瘍かが不明
【M2】→ 単発
●単一腫瘍
【M3】→ 単発
●複数腫瘍、前立腺、腺癌
注1:前立腺の腺癌は繰り返し診断されても1登録とする。
注2:腺癌NOSと腺房腺癌は、同じ組織型として扱う。
【M4】→ 単発
●複数腫瘍、網膜芽細胞腫
【M5】→ 単発
●複数腫瘍、カポジ肉腫
【M6】→ 単発
●複数腫瘍、60日以内、甲状腺、濾胞癌と乳頭癌
【M7】→ 単発
●複数腫瘍、60日以内、両側卵巣、上皮性腫瘍(8000-8799)
【M8】→ 多重
●複数腫瘍、側性のある部位の両側(表1)
【M9】→ 単発
●複数腫瘍、腺腫性ポリポーシス
【M10】→ 多重
●複数腫瘍、1年を越える間隔をおいて診断
【M11】→ 多重
●複数腫瘍、局在コードの上位3桁が一致しない
【M12】→ 多重
●複数腫瘍、局在コードの4桁目が異なる
【M13】→ 単発
●複数腫瘍、ポリープ内腫瘍と壁発生、ポリープ内でない上皮内あるいは浸潤性腺癌
【M14】→ 単発
●複数腫瘍、複数のポリープ内腫瘍
【M15】→ 多重
●複数腫瘍、上皮内癌を診断後、60日を越える間隔をおいて浸潤癌を診断
【M16】→ 多発
●複数腫瘍、8000/3と他の特異的な組織型
【M17】→ 多重
●複数腫瘍、形態コードの上位3桁が一致していない
【M18】→ 単発
M2~M17の条件に合致しない場合。(例:上皮内癌診断後、60日以内の浸潤癌)
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